小学生の頃、地下鉄の駅のホームで電車を待っていると、ジャージをはいたお兄さんが耳をふさいで何か喋っていました。
「え〜次は○○行き白線の内側に下がってお待ち下さい。」
私は目が釘付けになりました。
彼は一体何の為に構内アナウンスをやっているのだろう・・・。
電車が来ても彼は乗り込みません。
何故だろう・・・。
幼かった私に、彼が恐らく自閉症者で、余暇時間を楽しんでいるところだと言う事が分かる筈も有りませんが、私の心は彼に魅了されてしまいました。
思えばそれが私と自閉症者の初めての出会いでした。
世の中には私の理解を遥かに超えた方が沢山いる。そんな方に沢山出会いたい!!
運命の巡り合わせとは真に不思議な物です。
偶然が幾つも重なって、私は今、自閉さんが沢山暮らす施設で非常勤の職についています。
そこには1号の妹がいて、兄貴がいます。
私の人生を豊かに彩ってくれる沢山の方に巡り合いました。
あの時、あのお兄さんを見かけなかったら、今の職場に勤めなかったら、1号に出会わなかったら、私はこんなに楽しい自閉症者の世界を知る事が出来なかったでしょう。
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